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2009年 12月 29日
20091229 対談「品川正治×渡辺治」
20091229 対談「品川正治×渡辺治」_b0013099_232623100.jpg 雑誌「経済」の2010年1月号に「【対談】いま、新しい国のかたちを問う 品川正治×渡辺治」という対談記事が掲載されていたので、読んでみました。
 品川正治氏は、経済同友会の終身幹事です。渡辺治氏は、一橋大学教授です。この二人が対談するというのは、ある意味、今の情勢を反映しているのではないかと思いました。
 渡辺教授は冒頭、「総選挙の結果、三つの特徴」として、次のように述べています。
 第一は、民主党が大勝し、自民・公明が大敗北したこと。
 第二は、しかし、構造改革批判をより早くからより徹底して主張してきた共産等と社民党が議席を増やすことにはならなかったこと。
 第三は、その結果、これだけ大きく議席が変動しているにもかかわらず、自民党と民主党という保守二大政党の得票率を足すと、・・・ほとんど変わっていないこと。

 品川氏はこれに応じて、次のように語っています。
■ほとんどの新聞の予想が当たって民主党が大勝したわけです。これは、よっぽど国民全体が自公に愛想をつかしていて、とにかく自公はダメ、自公は引っ込めたいという感じが強かったのだろうという感じを受けました。
■構造改革で、これまで自民党政権を支えてきた『構造』まで変えていったために自民党は崩壊したと思うのです。単純な敗北ではすまない。だから自民党は新しくどう立て直すかという問題に直面している。
■民主党のほうも国民の声で勝ったわけで、民主党が買ったのではなくて国民が勝ったのだという感じを、われわれは持つわけです。

 さらに渡辺氏は、「民主党の対象の原因は二つあると思います。」として「一つは、明らかに構造改革政治を止めてもらいたいという運動と声が票になってあらわれたということ。もう一つは、それとは違って、二大政党が交互に政権交代するような政治体制をつくりたいという声が、最後に民主党を押し上げたと思います。」と指摘しています。

 「経済界の混乱ぶり」や「民主党には国の形が見えない」状況など、今の政治状況を理解するうえで必要なことが、たくさん示唆された「対談」だと思いました。

by toshihiro_sugimot | 2009-12-29 23:23 | ●本・新聞を読んで | Comments(0)