人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< 20110413 事務所掃除      20110410 蝶が舞う >>

2011年 04月 12日
20110412 「阪神・淡路大震災との違いは「人災」であること」-中央公論
 ツィッターで中央公論の「阪神・淡路大震災との違いは「人災」であること」という記事がwebに掲載されていると紹介されていました。

阪神・淡路大震災との違いは「人災」であること
 内田 樹=神戸女学院大学教授~「中央公論」2011年5月号掲載

地震と津波の傷は癒える
福島原発の事故は人災だ
「専門家」の不在が不幸を呼んだ
原発はビジネスにならない
危機時に「正解」はない
疎開のすすめ


 最初の「地震と津波の傷は癒える」には、次のように書かれています。「自然の強さ」「人間の強さ」に信頼し、「人は天災からは必ず立ち直れる。」と言い切っています。私もそう思いたい。

 震災体験者として言えることの一つは、天災の被害からは人は必ず立ち直れるということである。阪神・淡路大震災の直後は、「これだけ破壊された街はもう回復することはないだろう」と思っていた。しかし、驚くべきことに、一年後にはもう街は復活していた。蟻が角砂糖の粒を運んでいくように、少しずつではあるけれども、瓦礫の山は消えた。荒れ果てていた街に花が咲き、鳥が歌っていた。そのとき「自然の強さ」とともに、「人間の強さ」を感じた。
 日本列島は地震と噴火と津波と台風のリスクにつねにさらされている。天災は列島住民にとって不可避の運命である。だから、私たちは「天災にどう対処すればいいのか」を国民文化として知っている。それは親を亡くす経験に近い。個人的には恐るべき不幸であり、取り返しのつかない喪失感をもたらすけれど、それはある意味避けることのできぬ不幸である。そして、私たちは誰でもそこから立ち直る。
 列島住民は自然災害を繰り返し経験し、そこから、より合理的な防災の備えはどうあるべきか、心身の傷からどう立ち直るかについてノウハウを蓄積してきた。被災地の人たちは、すでに受苦から復興へ、マインドセットを切り換える努力を始めている。
 被災しなかったものの務めは国民全体を挙げて、被災者を慰め、励まし、支援するということに尽くされる。他責的な言葉づかいで行政を責め立てたり、法律や権限を言い訳に支援活動を停滞させることなく、あらゆる手段を尽くして被災者を支えるということについては国民的な合意が成り立っていると私は信じている。人は天災からは必ず立ち直れる。


 結びの言葉はこれがまたいいですね。
 最後に一つだけ具体的提言。今年の夏、計画停電するならクーラーは使用禁止とする。その代わり、窓を開けて、打ち水をする。そしてアロハと半ズボンとゴム草履での出勤を許可する。「そんなカジュアルな首都でなら働きたい」という若者たちがきっといる。

中央公論の記事 http://www.chuokoron.jp/2011/04/post_72.html

by toshihiro_sugimot | 2011-04-12 17:22 | ●本・新聞を読んで | Comments(0)