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2014年 01月 27日
20140127 「貿易収支」のウソ
 貿易収支の統計が発表されるたびに繰り返されるウソ。

 原発の停止に伴い、火力発電用の液化天然ガス(LNG)など燃料の需要が高まっている上、円安による円換算価格上昇で輸入額が膨らんだ(jiji.com 2014/01/27-11:21)

 こんな記事を読んでいると、貿易収支悪化の原因は、「原発の停止」と「円安」だということになりますね。

 「原発隣接地帯から: 脱原発を考えるブログ」が告発しています。同ブログの記事、「また来た「原発代替燃料で貿易赤字」のウソ、2013年通年版」(以下、『ブログ記事』)は、「 まずは記事のネタ元である財務省=税関の“2013年貿易統計速報の概要”を見ておく必要があるでしょう」といっています。その通りです。この記事には、「ちょっといろいろと表にしておきます」ということで、おもしろい表が載っています。(こういう表を作ってくれることに敬意を表したい)4年間の統計資料です。

 「火力発電用の液化天然ガス(LNG)など燃料の需要が高まっている」のかどうか。液化天然ガスの輸入数量(千トン)と輸入価額(億円)の推移です。

2010年  2012年  2013年
H.22年  H.24年  H.25年
70,008  87,314  87,491千トン
9,4059  12,247  14,241億円

 輸入数量は、2012年と2013年とでほとんど変わっていませんね。ということは、前年と比べて「液化天然ガス(LNG)」の輸入量は増えていないということですよね。にもかかわらず、価額(億円)は増加しているのです。その原因は「対ドルレート」です。

2010年  2012年  2013年
88.09   79.55   96.91 円/ドル(年平均値)

 つまり、アベノミクスがすすめた「円安」が原因だということです。
 『ブログ記事』の表に「2010年」があるというのが、ミソですね。東日本大震災で原発が停止する前の年との比較ができるようにとの配慮です。

貿易赤字、最大の11.4兆円=2013年、初の3年連続-円安で輸入額増に拍車(jiji.com 2014/01/27-11:21)
また来た「原発代替燃料で貿易赤字」のウソ、2013年通年版(原発隣接地帯から: 脱原発を考えるブログ)
“2013年貿易統計速報の概要”(平成26年1月27日 財務省)

by TOSHIHIRO_SUGIMOT | 2014-01-27 20:52 | ●本・新聞を読んで | Comments(0)